ナガモト の blog

Full Cycle Developerを目指すエンジニアが有用そうな技術記事や、ポエムのようなよしなしごとを投稿するブログです。

求職活動におけるジョブホッパーの3つのデメリット

転職活動をしていたところ、先日次のようなツイートをしてしまいました。

少し時間をおき、頭を冷やして考えました。すると、何か上手くいっていない、もっと言えば防げたはずのミスを重ねてしまったと気付き、自分への戒めや反省を兼ねてこの記事を書き始めました。

私は職務経歴上ジョブホッパーであることは間違いありません。考えなしに職を変えているわけではないですが、それを他者に理解してもらうことはあまり容易ではありません。 こういった転職を重ねることによる求職活動でのデメリットをまとめます。

前提

  • 平均在職期間が1年前後で3社以上の経験があるジョブホッパーに限る
  • 社外にまで名の知れた一流エンジニアではない
  • エンジニアの採用は明らかに売り手市場
  • エンジニアの待遇は年々良くなっている
  • 実務経験3年程度までは、転職したほうが簡単に年収が上がってしまう*1

エンジニアとして3〜5年程度経験を積み、シニアエンジニアやリードエンジニアクラスになるべく挑戦していくような状態のエンジニアを想定しています。

求職活動における3つのデメリット

  • 求職活動への慣れ・甘えが出る
  • 面接が少しマイナスからのスタートになる
  • 選考におけるフィードバックサイクルの質が落ちる

求職活動への慣れ・甘えが出る

ジョブホッパーは求職活動の経験が豊富です。それにより上手くなることもありますが、エンジニア採用が売り手市場であることと合わせて悪い慣れ・甘えがでることもあります。 あからさまに出ることはほぼなく、適度な緊張感を欠いて面接に臨んだり、リラックスしすぎて話が冗長になってしまったり、細かいところで悪い影響が出ます。

面接が少しマイナスからのスタートになる

ジョブホッパーに理解があり、面接してくれる企業はあります。しかしスタートは若干マイナスな場合が多いです。ジョブホッパーだから先入観や第一印象が多少悪いという当たり前で言及するほどのことではありません。 面接という貴重な時間を「なぜ短期間で転職を繰り返したのか?」という質問でほぼ確実に消費してしまうがことこそがマイナスです。

この質問は非常にデリケートでネガティブに言いすぎても、いいように表現しすぎて嘘っぽくなってもいい印象はないでしょう。しかも大抵の場合、この質問への回答は減点法で評価されます。*2

良い結果に直結しにくい質疑応答に自己アピールや企業をさらに知るための時間を失ってしまうのはデメリットです。

選考におけるフィードバックサイクルの質が落ちる

選考で落ちた際にはフィードバックを参考にすべきだと思います。しかし、ジョブホッパーへのフィードバックは「自身で環境を変えていく力が不足している」「他責傾向が強い」などといった短期間で転職を繰り返している事実に端を発する内容がほとんどになり、参考にしにくいです。*3

私も採用担当経験がありますが、人に合否を出す行為は非常に難しいです。そのため、判断の理由を言語化する際に純然たる事実である経歴を根拠にしてしまう気持ちは私もわかります。

また、「社風にマッチしない」など具体性のないフィードバックのみの場合、自身で振り返ることがさらに重要になります。しかしジョブホッパーでは「経歴が汚いから落ちたのだろう」という思考停止に陥りがちです。 落選したことを思い詰めすぎても問題ですが、このような思考停止は危険です。

戒めも込めて以下に私の失敗例を列挙します。

私の失敗具体例

  • 単なる売り手市場を自分の実力と錯覚し、謙虚さを忘れる
  • 大企業とベンチャー企業でほぼ同じレジュメを使い回す
  • スカウトを受けた企業と自分からコンタクトをとった企業とを混同する
  • 自分からコンタクトをとっておきながら下調べが甘い or 面接当日に情報を忘れる
  • 面接可能な日程が少ないため疲弊していてもリスケせず、面接時に集中力を欠く
  • 志望度と選考の日程調整が甘く、希望度が近い企業を最初に受けてしまう(内定への回答期日までに他社の選考が終わらない)
  • 正直に答えているつもりで不要なことまでぺらぺらと喋っている
  • 面接官の話しやすさにかまけてカジュアルに話しすぎる(馴れ馴れしい)
  • 同じ質問に対する回答が大きく異なることがある
  • 「自分で組織を変えようとは思わなかったのか?」という質問を真に受けすぎる
  • 「他責傾向が強い」というフィードバックを受け止めすぎて激しい自己嫌悪に陥る

まとめてしまうと、慣れや甘えがでていたことに、フィードバックから気づくのが遅れ、経歴のマイナスをうまく挽回できていないといったところです。

対策

対策は大きく2つです。

  • よくある質問をスムーズに答えられるようにしておく
  • 謙虚さを忘れない

当たり前なことですが、転職活動を複数回こなしたからこそ、当たり前がおろそかになってしまいがちです。気を引き締めましょう。

「短期間で転職を繰り返した理由」「自分で組織を変えようとした経験・挫折した理由」くらいは整理してある程度スムーズに答えられるようにしておきましょう。正直に答えることと、事前に整理して決まり文句的に覚えてしまうことは矛盾しません。

また、精神論ではありますが、こまめに「今自分は傲慢になっていないか?」と自身に問いかけましょう。面接では質問にこたえる前に一呼吸置いて「謙虚に…謙虚に…」と心の中で唱えてもいいでしょう。謙虚であれば無理な日程を組んだり、自分からコンタクトをとった企業の下調べが甘くなったりはしないでしょう。

最後に

私の今回の転職活動はひとまず落ち着いてきましたが、今回得た教訓は心に刻んで同じような失敗をしないようにしたいです。

*1:

*2:「そういう事情があったのなら短期間の転職も仕方ないかもね」「しっかり目的をもった転職であればマイナスな評価にはなりませんよ」といった言葉をかけられることが多い

*3:自身で変える力が足りないのではないか?他責にしすぎなのではないか?などという疑問は何度となく自分から考えているため、他者に抽象的に指摘されてもあまり参考にはならない